「骨粗しょう症なんて、高齢者の病気でしょ?」
「私はまだ40代(50代)だから、自分には関係ない」
そう思っていませんか?
実は、骨粗しょう症は単に「骨がもろくなる病気」ではなく、私たちの生活を一瞬で奪ってしまう怖い病気であることがわかっています。
今回は、骨粗しょう症の恐ろしさと、なぜ今すぐ「骨密度を上げる」必要があるのかを分かりやすく解説します。
将来寝たきりにならないために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
《骨粗しょう症とは》
骨粗しょう症とは、骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなり骨折しやすい状態をいいます。
《「骨折・転倒」は要介護になる原因の第3位》
厚生労働省の「国民生活基礎調査(2022年)」¹⁾によると、高齢者が介護や支援が必要になった主な原因の中で、「骨折・転倒」は全体の13.9%を占め、なんと第3位にランクインしています。脳卒中や認知症と同じくらい、骨折は健康寿命を一瞬で縮めてしまう引き金なのです。
《治療を受けているのは「ごくわずか」という現実》
厚生労働省の「患者調査(2023年)」²⁾では、骨粗しょう症で実際に治療を受けている総患者数は約138万7,000人(女性が約130万9,000人)と報告されています。しかし、日本生活習慣病予防協会の報告³⁾では日本全体の潜在的な患者数は約1,590万人(女性1,180万人、男性410万人)とも推計されており、「自覚症状がないために、自分が病気だと気づかず放置している人」が約9割近くにものぼることがこの病気の怖さとも言えます。
《なぜ今、骨密度を「上げる」必要があるのか?》
「もろくなってから治療すればいい」ではなく、骨密度を若いうち、あるいは気づいた今のうちに「貯金」のように上げておく必要があります。
まず、女性の骨密度は、女性ホルモン(エストロゲン)によって守られています。
しかし、40代後半から50代の閉経期を迎えると、このホルモンが激減し、骨を壊すスピードが急加速します。
そうなると、骨密度の数値を現状維持させるだけで精一杯になります。
だからこそ、まだ骨の余力がある40代・50代のうちから、食事や運動、そして適切な医療的ケアによって「骨密度をあげる対策」をはじめ、骨貯金を作っておくことが、将来の「※ドミノ骨折」や「寝たきり」を防ぐために大切なのです。
※ドミノ骨折‥‥一度骨折すると、その影響で他の骨も次々と折れやすくなる状態を指し、骨折が連鎖して起こる様子が、ドミノ倒しに似ていることから由来。
《骨粗しょう症の治療》
骨粗しょう症の予防・治療において「食事」「運動」「薬物治療」の3つを並行して行うことが必要になります。どれか一つだけを頑張るのではなく、3つのアプローチを同時にバランスよく進めることが、骨密度を効果的に高めるための「一番の近道」なのです。
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食事療法:骨の材料を正しく摂る骨を強くするためには、毎日の食事から適切な栄養を摂ることがすべての土台になります。基本的にバランスの良い食事をすることが前提ですが、特に以下の栄養素を摂取する必要があります。
カルシウム:骨の主成分。牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜など
ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。鮭、メカジキ、きのこ類など
ビタミンK:骨の形成を促す。納豆、ほうれん草などタンパク質:骨の土台(コラーゲン)を作る。肉、魚、卵、大豆製品など
※逆に、スナック菓子や加工食品に多く含まれる「リン」や、塩分・アルコールの摂りすぎはカルシウムの排出を促してしまうため注意が必要です。食事だけではなく、皮膚に紫外線を当てることで、体内でビタミンDを生成することができるため、日光を浴びることも有用となります。
- 運動療法:骨は運動による物理的な刺激を受けることで、骨をつくる細胞が活発になり、骨量が増加します。そのため、ウォーキングや、片足立ち、スクワットなど、骨に負荷がかかる運動が推奨されています。当院のリハビリ室でも、患者さんの膝や腰の状態に合わせた「安全で効果的な運動メニュー」を理学療法士がマンツーマンで指導しています。
- 薬物療法:すでに骨密度が著しく低下している場合や、骨粗しょう症と診断された場合は、食事と運動だけでカバーすることは困難です。ここで最も強力な武器となるのが薬物療法です。骨の破壊を抑える薬(ビスホスホネート薬など)、骨の形成を促す薬(副甲状腺ホルモン製剤など)、骨の代謝を調整する薬(活性型ビタミンD3製剤など)と、現在の治療薬は非常に進化しており、月に1回飲むタイプのお薬や、定期的な注射など、患者様の病態やライフスタイルに合わせて医師が最適な治療法を提案いたします。
当院では、適切な診断・お薬の処方と、充実したリハビリ室での理学療法士による運動療法を、ひとつのクリニック内でスムーズに連携して行っています。
《骨密度の検査》
まずは、自分の骨密度がどれぐらいか知りましょう。
骨密度検査は驚くほど手軽で、主な検査方法には以下のようなものがあります。
DXA法:微量なX線を使って、骨折しやすい「腰椎」や「大腿骨」を直接測定します。骨粗鬆症のガイドラインにおいて、DXA法は、骨粗鬆症の診断を下すための標準的な測定法として世界的に位置づけられています。
MD法(微小濃度測定法):手のひらのX線写真を撮影し、アルミニウムの板と一緒に写して骨の密度を計算します。
QUS法(超音波法):かかとの骨に超音波をあてて測定します。X線を使わないため、妊娠中の方でも受けられますがスクリーニング程度の検査となります。
《検査はどこで受けられる⁈》
多くの自治体では40歳、45歳、50歳といった節目の年齢を迎えた女性を対象に、無料またはワンコイン(数百円)で受けられる「骨粗しょう症検診」実施しています。
ただし、自治体の集団検診などで行われるのは、多くがQUS法であり簡易な検査法です。
より精密なDXA法での検査を希望される場合は、対応している病院を探す必要があります。(詳しくは市のホームページで確認ができます。大阪市はコチラ→https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000026192.html#2)
病院で健康保険が適応される場合は、3割負担でDXA法が約1350円(腰椎と大腿骨)、MD法が約420円かかりますが、実際の窓口では、これに初診料や診察料(数百円~千円前後)が加算されます。
なお、当院ではMD法(微小濃度測定法)を導入しておりますが、必要に応じてDXA法に対応した他院を紹介することも可能ですので、骨密度に不安がある方は、まずは一度お気軽に医師へご相談ください。
《最後に》
骨粗しょう症は、早く見つけて対策をはじめれば、しっかりと予防・治療ができる病気です。
「私の骨、大丈夫かな?」と少しでも気になったら、スタッフまで「骨密度の検査をしてみたい」と気軽にお声がけくださいね。