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1日1万歩は歩きすぎ⁉理想の歩行とは

みなさん、こんにちは!今井クリニックです。

 

「健康のために、毎日頑張って1万歩を目標に歩いています!」という方は非常に多いのではないでしょうか。

かつては健康の代名詞だった「1日1万歩」ですが、実は近年の国の健康指針において、目標とする歩数の見直しが行われているのをご存知ですか?

 

今回は、私たちが本当に目指すべき「理想の歩行(歩数・運動強度)」のポイントを分かりやすくご紹介します。

 

1. 目標歩数は「8,000歩」と「6,000歩」

厚生労働省が策定した国民健康づくり計画『健康日本21(第三次)』、および『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』では、1日の推奨歩数が以下のように設定されています。

 

日常生活における1日の目標歩数

成人(18歳~64歳)    1日 8,000歩   
高齢者(65歳以上)    1日 6,000歩

(引用元:厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf)

 

シニア世代であれば「1日6,000歩」で、健康を維持するための基準を十分にクリアできるとされているのです。

無理をして「1万歩」という高いハードルを毎日クリアしようと意気込まなくても、年齢や体力に合わせた適切な歩数を知ることが、これからの新しい健康づくりです。

もちろん無理なく歩けている方は筋力維持のために積極的に歩いても大丈夫です。

「4,000歩なんてとても無理」と思っている方は、自宅の廊下や短い距離から少しずつ歩き始めてみて、慣れてきたら歩数を増やしていけたら良いですね。

例えば、万歩計を使用し、努力を数値化すると目標ができて毎日飽きずに続けられるかもしれないので、是非やってみて下さい。

 

2. 効率よく健康になるための鍵「メッツ(METs)」とは?

厚生労働省のガイドラインでは、ただダラダラと歩数を稼ぐのではなく、運動の「強さ(強度)」を意識することが大切だと示されています。

その強さを表す単位が「メッツ(METs)」です。

メッツとは、座って安静にしている状態を「1メッツ」としたとき、その何倍のエネルギーを消費するかを示す指標です。

 

歩行スピードとメッツ(METs)の目安

ゆっくりとした歩行 2.0~2.8メッツ
普通の歩行 3.0メッツ(※分速約67m)
犬の散歩・少し速い歩行 3.5メッツ
大股での速歩(急ぎ足) 4.3~5.0メッツ

(参考:厚生労働省『身体活動・運動の単位』)※100mであれば1分半の所要時間。

 

国は、健康維持のために「3.0メッツ以上のしっかりとした歩行」を、成人は1日60分(約6,000歩分)、高齢者は1日40分(約4,000歩分)行うことを推奨しています。

これに、家事や日常のちょっとした移動(約2,000歩分)が合わさることで、最終的に国が推奨する「1日6,000〜8,000歩」という理想の目標値に到達する仕組みになっています。

 

3.偶然ではない?国が「8,000歩・6,000歩」を掲げる理由

実は、国が掲げるこの目標歩数は、『中之条研究』(群馬県)が導き出した「病気を予防できる理想の歩数」と一致しています。国が今回の新基準を作る際にもこの研究成果を参考としています。

高齢者5,000人を20年以上追跡したこの研究では、1日の平均歩数によって予防できる病気や症状が、以下のように割り出されています。

[1日 5,000歩] = 要介護状態・認知症・脳卒中・心臓病の予防

[1日 7,000歩] = がん・動脈硬化・骨粗しょう症・うつ病の予防

[1日 8,000歩] = 高血圧症・糖尿病・脂質異常症(メタボ)の予防

 

国が推奨する「1日6,000〜8,000歩」をクリアすることは、これら多くの生活習慣病や認知症のリスクを下げるラインと綺麗にリンクしています。

 

ただし、1つ違いがあります。

 

国のガイドラインでは「3メッツ以上の歩行を1日40〜60分」と定めていますが、中之条研究では「その歩数の中に、しっかりとした速歩き(中強度の運動)の時間が8分〜20分含まれていればOK」とされています。アプローチは少し異なりますが、「毎日6,000〜8,000歩を目指してテンポよく歩くことが、国の基準としても、医学的にも病気予防になる」ということが言えます。

 

4. 注意!筋肉の土台がない「歩きすぎ」は関節を壊す

「それなら明日から広めの歩幅で毎日たくさん歩こう!」と思った方は、少しだけ待ってください。

私たちが普段、何気なく歩いているとき、膝や股関節の内部には体重の2倍〜3倍にのぼる大きな負担がのしかかっているのです。

もし、下半身の筋肉が衰えている状態で無理にたくさん歩き続けてしまうと、クッションが効かず、股関節や膝関節、足関節など関節への衝撃が増えてしまい、結果として、関節が痛くて歩けない状態になりかねません。

そのため、厚生労働省のガイドラインでも、ウォーキングなどの有酸素運動だけでなく、「スクワットなどの筋力トレーニングを週に2〜3日行うこと」が新たに推奨されています。

 

健康寿命を延ばすための正しい順番は、「まずは体重の衝撃に耐えられる足腰(土台)を作り、その上で理想の歩数(6,000〜8,000歩)を適切な歩幅で歩く」ことです。

何度も言いますがもちろんそれ以上歩いても問題はないですし、習慣のない方は無理なく少しずつ歩いてみて下さいね。

 

 

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